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< パン屋さんの隣の家に... |anond:20250923163525 >

2025-09-23

NanoBananaで起きた参考画像無断使用

1. はじめに:AIイラスト無断使用された話

これは、私のAIイラストが、無断でAIに利用された時の話です。

昨今、Gemini 2.5FlashImage(NanoBanana)のような、画像プロンプトを入力するだけで様々な画像簡単に生成できるサービス話題になっています。その手軽さ故に、他者画像を「参考画像」として安易使用してしまうことで、意図せず著作権侵害引き起こししま可能性があります

この記事では、実際に私が遭遇した出来事を通して、何が起きたのか、そしてどう対処したのかをお伝えします。また、AIクリエイターの皆さんが、自分作品を守るためにできる対策についてもまとめました。

この出来事が、AI人間創作がどのように共存していくべきか、考えるきっかけになれば幸いです。

2. 事の経緯:私のAIイラストが「ドローンアート」になった日

私はAIイラスト特化型のプラットフォーム「イロミライ」に、自分AIイラスト投稿しています。ある日、いつものようにプラットフォームを訪れると、とあるユーザー投稿に目が留まりました。

それは、Geminiの機能を使って生成されたという、ドローンアートモチーフにした画像でした。

一見しただけで、「あ、私のイラストが使われている」と、すぐに分かりました。

そのドローンアートの構図やキャラクターデザインは、私が過去に生成したAIイラスト完全に一致していたからです。

正直な感想として、「こんなもの画像加工アプリモノクロフィルターをかけたり、二値化するフィルターをかけたりしたのと大差ないのでは?」と感じました。それを、何の断りもなく「ファンアートです、どうぞ」というような態度で公開されたのです。

自分作品が、まるで簡単な加工を施されただけのもののように扱われたことに、不愉快まりない気持ちになりました。

そのユーザーは、私の作品以外にも、元の画像コスプレ風にしたり、ドローンアート風にしたりと、様々なAI画像連続して投稿していました。

プラットフォーム内でもその連投は異質で、滑稽に映っていました。

3.投稿者とプラットフォームへの対応

自分イラストが使われているのを見つけた私は、すぐに投稿サイトに報告しました。

しかし、数日経っても運営からは何の返信もなく、投稿は削除されませんでした。

そこで私は、直接本人に連絡をとることにしました。Discordを通じて、なぜ私の作品を無断で使用したのか、そしてその行為が私にとってどれほど不快なことかを伝えました。

すると、すぐに相手から返信がありました。

「いろいろ理解しました。軽率だったことお詫びします。」

謝罪言葉を受け取った時、私は少し安心しました。これで解決する、そう思いました。

しかし、その謝罪から2週間以上が経った今も、投稿は削除されていません。

謝罪はしたものの、「削除するほどではない」と軽視されているのかもしれません。

相手には、自分さえ良ければいいという自己中心的な考えが見て取れ、相手気持ちを思いやることができていないと感じました。

4. なぜ「無断使用」だと判断したのか

この件で、私が「無断転載」ではなく「無断使用」という言葉を選んだのには理由があります

一般的に、無断転載とは、元の画像をそのまま、あるいはほぼそのままの形で別の場所掲載する行為を指します。

しかし、今回のケースでは、私のイラストがそのまま使われたわけではありませんでした。

私の作品は、AIの**「参照画像(referenceimage)」**として利用されたのです。

投稿されたドローンアートは、非常に特殊プロンプトに従って生成されていました。そのプロンプトには、以下のような指示が含まれていました。

「参照画像象徴的かつ抽象的に再構成する」
「数千から1万機のドローンが白い光の点として飛び交い、再構築する」
「参照画像を直接コピーするのではなく、スケッチのような星座として出現する」

まりAIは私のイラストを直接コピーしたのではなく、この詳細な「企画書」のようなプロンプトに従って、新しい作品を生成するための「素材」として利用したのです。

これは、画像をまるごと転載する「無断転用」よりも、**「無断使用」**と呼ぶ方がより正確だと私は考えています

AIが作ったものなのだから、誰が使ってもいいのでは?」と考える人いるかもしれません。

しかし、もしAIがその学習過程で、私の創作的な意図表現を無断で使用していたとしたら、それはクリエイターにとって大きな問題となります

今回の件は、まさにその問題可視化された瞬間だったと言えるでしょう。

5.作品を守るために今できること

今回の経験を通して、AI時代クリエイター自分作品を守るために、日頃からできる対策がいくつかあると感じました。

1.ウォーターマークを入れる

作品あなたサインロゴなどのウォーターマークを入れることで、それがあなた作品であることを示せますAIウォーターマーク認識・除去することがありますが、視覚的なアピールとしては有効です。

2.著作権表示を明確にする

作品キャプションプロフィール欄に「©[あなた名前]」や「無断転載無断使用を禁じます」といった著作権表示を明記しましょう。これにより、無断使用への警告効果が期待できます

これらの対策は、AIによる意図しない利用からあなた作品を完全に守るものではありません。

しかし、リスクを減らし、万が一の事態に備えるための第一歩となります

6.最後に:私がAIイラスト特化型サービスとGeminiユーザーに求めること

今回の件を通じて、私はAI時代におけるクリエイター責任と同時に、AIサービス提供者やユーザーそれぞれに求められる役割があると感じました。

AIイラスト特化型投稿サービスに求めること

私のようなAIクリエイター安心して作品を公開できる場であるために、運営には「著作権」に関するより明確なルールを設けていただきたいと強く願います

例えば、Gemini NanoBananaのように、他者画像を元に新たな画像を生成するAI機能を利用して投稿する際のルールです。

元となる画像は、投稿自身が生成したAIイラスト写真に限るといった規約の明文化を求めます

これは、プラットフォームクリエイター作品を守るという強い意志を示すことにつながり、安心して創作活動を続けられる環境を築く上で不可欠だと考えます

Geminiを利用するユーザーに求めること

AIは強力なツールですが、その使い方には高い倫理観配慮必要です。

Geminiを利用して新しい作品を生成する際は、**「元となる作品は誰のものか」**という視点を常に持ち続けてください。

AIが作ったから」という理由で、他者作品安易に利用することは、その作品に込められたクリエイター努力意図を軽んじる行為にほかなりません。

AIは、新しい表現を生み出すための素晴らしい道具です。

からこそ、その道具を使って何を作り、どのように扱うのか、**「創る責任」**を私たち一人ひとりが考えるべき時が来ているのだと感じています

Permalink |記事への反応(3) | 17:01

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