女性向けエロがメディアミックスでカットされた例にはFLESH&BLOODがある
現代日本人の少年がイギリス旅行中にタイムスリップを起こして16世紀大航海時代へ行く内容のBLだ
主人公は富裕層エリート少年なので数ヶ国語話せるし、世界史知識もバッチリだ
パラレルワールドなのか知っている歴史と細部が異なるものの大筋は同じで、世界史知識により異国の預言者としてイングランドの庇護を得る
主人公はさっさと現地人と恋愛関係になるも、タイムスリップしてからしょっちゅう体がズタボロになっているので中々セックスはできない
タイムスリップした直後に彼を救ったのはスペイン人だったが、時代を把握してスペインがこれからアルマダ海戦でイングランドに負けることを口走ったせいでボコボコにされ、
その後も異端審問にかけられ拷問されたり、16世紀では治療法のない死病にかかったり、健康な時期が少ない
それでも21巻でようやく主人公はイングランドイケメンと結ばれ、原作においては濡れ場があった
イングランドイケメンの声優は諏訪部順一なのだが、彼はCD1巻の出た2005年には現役BLCD声優だったが、次第にBLから足を洗った
昔の男声優にはBLCDは避けては通れない登竜門のようで、実はエロは嫌だったとかホモは嫌だったとか言いながら売れっ子になったらBLから足を洗っていく
近年は「仕事を選ばずなんでもやりたい」「BL出てチヤホヤされたい」「BLに好意的」などの人が合意の上で出演し、全くBLに関わらないルートを選べている者もいるが、昔は強制BL堕ちが横行していた
長期シリーズ物だと途中で主演声優が足を洗って声優交代になることもしばしばあった
諏訪部はFLESH&BLOODから降りることこそなかったが、年齢制限のないCDで濡れ場はもうやりたくないと主張しCDでは濡れ場がカットされた
主人公役は福山潤で、福山ももう新規のBLCDから足を洗っていたが義理でシリーズ物には出演を続けていた
福山は喘ぎ声に定評があり、久しぶりにそれが聞けるチャンスだと胸踊らせていたファンたちは諏訪部の主義による喘ぎ声キャンセルに激怒して当時は荒れた
当時原作者は内臓の病気で療養に入り休筆中で、病を押して諏訪部の要望に応えてただ濡れ場をカットするのではなく別の展開にCD用にシナリオを描き下ろした
「ワガママで病人を働かせるな」「福山の喘ぎが聞きたかったのでいっそ諏訪部に降りてほしかった」と諏訪部は叩かれた
18禁レベルではなく青年漫画レベルの濡れ場ではあるが、ガキも聞けるCDで演じるのは嫌だという諏訪部の考えも尊重されるべきではあるだろう
「若い読者を思いやってる諏訪部は立派」「嫌なら降りてもよかったのに続けてくれるだけ有り難いなど」の擁護もあり混沌としていた