橋を量る者が村を訪れると、
人々は食を並べ、盃を満たした。
役人は銅貨を置かずに座し、
村人の言葉に耳を傾けた。
それは長く続いた習わしで、
誰も異を唱えなかった。
ある時、声が響いた。
「その盃は友情か、
それとも天秤を傾ける石か」
町の長は言った。
「疑われる盃は捨てよ。
どうしても受けるなら、銅貨を置け」
だが、人々はなお思った。
――絆と疑念は、いつから同じ杯に注がれるのか。
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