運動した直後に体重が増えるのは、よくあることで、いくつかの理由が考えられます。多くの場合、心配する必要のない一時的な現象です。
筋肉の修復と炎症:運動、特に筋力トレーニングを行うと、筋肉の繊維に微細な損傷が生じます。体はこれを修復しようと炎症反応を起こし、その過程で筋肉周辺に水分が一時的に集まります。
グリコーゲンの貯蔵:筋肉はエネルギー源としてグリコーゲン(糖)を貯蔵しています。グリコーゲンは水分と結合して蓄えられるため、運動によってグリコーゲンが消費され、その後補給される際に水分も一緒に取り込まれます。グリコーゲン1gにつき約3gの水分が貯蔵されると言われています。
疲労物質の排出:運動によって生じた疲労物質を排出するためにも、水分がその部位に集まることがあります。
これらの要因により、運動直後から翌日にかけて、体内の水分量が増加し、体重計の数値が一時的に増えることがあります。これは通常、数時間から1日程度で自然に解消され、長くても数日から1週間程度で落ち着くことが多いです。
運動中は汗をかくため、水分補給をしますよね。飲んだ水の量もそのまま体重として反映されます。特に運動直後であれば、まだ体内で吸収・排出されていない水分が体重に影響している可能性が高いです。
この運動直後の体重増加は、決して脂肪が増えたわけではありません。むしろ、体が運動に反応し、筋肉の回復やエネルギー貯蔵を行っている証拠であり、健康的な変化と捉えることができます。
一喜一憂しない:体重は1日のうちでも変動が大きいため、特定の時点の数値に囚われすぎないことが大切です。長期的な変化(数週間〜数ヶ月単位)で見ていきましょう。
他の変化に目を向ける: 服のサイズ、体脂肪率、体力の向上、見た目の引き締まりなど、体重以外の変化に注目することが重要です。
水分補給はしっかり:むくみが気になるからといって水分摂取を控えるのは逆効果です。適切な水分補給は、体内の代謝を円滑にし、疲労回復にもつながります。
塩分に注意:塩分の摂りすぎはむくみを悪化させる可能性がありますので、注意しましょう。
運動を始めたばかりの時期や、いつもより高負荷のトレーニングをした時に特に顕著に現れる現象ですが、継続することで体は順応し、やがて基礎代謝が向上して脂肪が燃焼しやすい体になっていきます。