Xでこのポストがバズってたのがきっかけ。このポストについては「パートナーの体調不良の訴えを面白がってネタにするって性格悪いな」くらいの感想だけど、結局、マンフルなるものはあるのかないのか気になったので調べてみた。
マンフルについて簡単に言えば、男性が風邪やインフルエンザにかかったときに、女性よりも大袈裟に症状を訴えるという多分に男性を揶揄するミームで、欧米圏ではすっかり定番らしい。日本にもここ10年くらいで輸入されたのか時々みることがある。俺は正直「男性側がわざわざおおげさに症状訴える動機が存在しないし、怪しいんじゃね?」と最初から思ってたけど、ともあれまともな文献を調べてみようと。
結論から言うと、やはり"マンフルー"を「男性の大袈裟な態度」と見るのは無理があるみたい。
まず、平熱について。最初、男性の方が平熱が低いので、微熱でも男性の方が辛いのではと言う仮説を持ってたけど、こちらはちょっとハズレぽい。一応、最近の大規模研究によると、統計的には男性の方が女性よりわずかに平熱が低い傾向がある。スタンフォード大学の2023年の研究では、約61万件の体温データを解析した結果、全体平均が36.64℃で、女性の方が男性より平均体温が高かった(Parsonnetet al., 2023,JAMA Intern Medの論文)。日内変動や年齢、体格といった他の要因もあるけど、それらを調整してもこの性差は残る。ただ、重要なのはその差がせいぜい0.2℃程度で、これだと男性が微熱でも辛く感じる根拠にするのは微妙そう。
じゃあ何がマンフルーの正体なのか?と思って他の文献を調べてみた。
面白いのは、免疫反応やホルモンの違いが、男女の症状の出方に影響を与えている可能性があるってこと。例えば、女性ホルモン(エストロゲン)は免疫を活性化させる傾向があり、男性ホルモン(テストステロン)は抑制する方向に働く。実際、ワクチンへの抗体応答も女性の方が強いという研究がある(Furmanet al., 2014,PNASの論文)。
加えて、COVID-19のパンデミック中には、男性の方が女性よりも重症化しやすく、死亡率も高かったというデータが世界中から報告された(Global Health 50/50,Sex, Gender and COVID-19 Project)。インフルエンザでも似たような傾向がある。
つまり、男性の方が感染症に弱いというのは言えそうで、マンフルと呼ばれる現象も(確定じゃないけど)その線で説明できそうに思う。もちろん男性全員がそうというわけではないし、症状の訴え方に社会的なバイアスもあると思う。「男は弱音を吐かないべき」とい男性規範が女性から「情けない」という感想を引き起こした面も考えられる。ただ、この辺はあまりにも憶測がまじりすぎるのでいったんおいてく。
他には副鼻腔炎についての話もあった。オーストリアの研究チームが副鼻腔炎の経過を男女で比較したところ、女性の方が症状の自己評価は高かったものの、回復は早かった。男性は症状が長引く傾向があったとのこと(Brandstetteret al., 2021,Journal of Clinical Medicineの論文)。この研究では「マンフルーというステレオタイプを裏付ける明確な根拠はない」と結論づけている。
結局のところ、マンフルーという怪しげな話が「何故」広まったのかについて言うと、
のあわせ技で、女性から見たときに「おおげさに辛さを訴えてる用に見える」となるんじゃないかなというのが暫定的な結論。
日本の「マンフル」では、嫁側が辛さを吐露したときに男性が被せるように俺も辛いというのを「マンフル」と呼ぶケースもあるらしいけど、そっちは夫婦の信頼関係とかの話になるし、旦那側の「証言」がないケースで一方的に言ってるケースが多いので、判断はおいとく。
男性の方が辛くなりやすいってのは科学的にそうであろうと言えそう。 また、日本においては、やはり男性は強くあるべきみたいな社会的役割がそのような反応を引き起こしている気は...
ワイが酷いインフルで便所の床で苦しんでた時嫁は「大袈裟な笑」つっとったで それがうつって自分がなって以来言わなくなった インフルなったことなかったらしい
インフルで便所の床で苦しむって、どういう状態? 激しい下痢になるってこと??
腹にくるタイプでゲーゲー吐いた