1:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:02:55.47ID:+rGo6lOV
※
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1479567713/の続き
ことり「ふん♪ふん♪ふふふふん♪」
希「ことりちゃん。…それ、何?」
ことり「んー?なんだろ?巣の材料になるかなぁと思って拾ってきたの」
希「へー」
ことり「このままでもあったかいよ。希ちゃんの毛皮みたいに♪」
希「確かに、あったかそうやね…」モゾモゾ
ことり「中に入れるようになってるんだね。…これ、誰かの巣なのかなぁ?」
希「奥のほうは狭すぎてウチでも入れないよ。四つに分かれた小さな部屋があるみたいや」
ことり「こっち側にも小さな部屋があるから、五つじゃないかなぁ?」
希「そっか。でも二人で入るんやったら広い部屋だけで充分やね」
ことり「二人だと、ちょっと狭いけどね。ふふふ」ギュー
希「とりあえず中には何も居ないみたいや」
ことり「うん。…でも、巣の主が出かけてるだけって可能性もあるのかな?」
希「どうやろ…もしそうなら今頃誰かが困ってるんかな?」
ことり「あったかくて素敵だから、手放すのは惜しいけど…返してあげたほうがいいかなぁ?」
希「そやね。森のみんなに訊いてみようか…」
亜里沙「わあ、あったかいね♪」スリスリ
ことり「亜里沙ちゃんのじゃないみたいだね」
亜里沙「はい。亜里沙はリスだから…自分で巣を作るより、もともと木にあいてる穴とかを使ったりするの」
希「あの木の穴、貸してくれてありがとね。助かったよ♪」
亜里沙「どういたしまして。亜里沙も、お姉ちゃんと一緒に暮らせて嬉しい♪」
絵里「あら、それ何?素敵な毛皮ね♪」
亜里沙「柔らかくてあったかいよ。お姉ちゃんも触ってみて♪」
絵里「ふかふかね。あったかくて気持ちいい♪」モフモフ
亜里沙「お姉ちゃんのしっぽもフサフサして気持ちいいよ♪」モフモフ
絵里「亜里沙…くすぐったいわ///」パタパタ
希「エリちのでもなさそうやね…」
絵里「何の話?」パタパタ
ことり「これ、中に入れるようになってるの。だから誰かの巣なんじゃないかと思って、持ち主を探してるんだけど…」
2:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:06:55.83ID:+rGo6lOV
亜里沙「ことりさんの巣じゃないんですか?」
ことり「私が作るのは葉っぱを蜘蛛の糸で縫い合わせた巣だよ。これは何でできてるのか、よくわからないし…」
絵里「誰かの毛皮じゃない?手触りが似てるわ」モフモフ
希「生き物の毛皮でできてるってこと…?」ヒヤアセ
亜里沙「亜里沙でぎりぎりの大きさだし、お姉ちゃんには狭すぎるよね」
絵里「そうね…これが巣だとしたら、希や亜里沙くらいの小さな生き物だと思うわ」
海未「そういえば…」
ことり「これ、海未ちゃんの?」
海未「いえ、私はウサギですから…巣を作るなら、希のように穴を掘ります。これは私には小さすぎますし」
希「何か心当たりがあるん?」
海未「海未の未はヒツジとも読むのです」
ことり「ひつじ?」
海未「ええ。ヒツジやアルパカなどは人が毛を刈って、それを何かの材料として使うらしいですよ」
希「そっか。じゃあ、これが生き物の毛で作られてても犠牲になったとは限らないんやね」ホッ
ことり「これ、ひつじさんの毛なの?」
海未「そこまでは…私にもわかりません」
凛「ひつじ?」
希「そうそう。ひつじひつじ」
凛「あったかいけど…こんな小っちゃい巣じゃ凛は脚しか入らないよ」
ことり「頭も入るんじゃない?」
凛「にこちゃんなら小さいから隠れられるかもねー♪」
にこ「あんたと大して変わらないわよ!…でもこれ、どこかで見たような気がするわね…」
希「にこっちは知ってるん?」
にこ「どこで見たんだったかしら…」
花陽「みんな集まって何してるの?」
ことり「こんなものを見つけたんだけど…花陽ちゃん、何だかわかる?」
花陽「どれどれ…」パク
真姫「食べ物じゃないわよ」チョップ
花陽「ピャァ!?…わ、わかってるよぉ…」
3:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:14:22.02ID:+rGo6lOV
希「ことりちゃんやウチの大きさなら中に入れるようになってるんよ」
ことり「動物の毛とかでできてるみたいなんだけど…」
真姫「ふーん…」クンクン
ことり「オオカミさんって犬みたいに鼻がきくの?」
真姫「犬じゃないわよ。…これは危険な匂いだわ」
希「危険?」
真姫「ええ。あなたたちより遥かに大きな生き物の匂いね。たぶん…サルとか、そういう類の」
ことり「犬猿の仲だから?」
真姫「犬じゃないって言ってるでしょ!」
花陽「でも、そんな危険なものじゃないと思うけど…」
希「花陽ちゃんは心当たりがあるん?」
花陽「うん…あのね、私たち鹿にとっては馴染みのある匂いだと思う…たぶん、これと似た物も見たことあるよ」
真姫「ぼんやりしててよくわからないわね。…ま、私と花陽どちらの話を信じるかはあなたたち次第よ」
雪穂「へー。確かにあったかいね」モフモフ
亜里沙「雪穂のしっぽもあったかいよ♪」モフモフ
雪穂「ちょっ、亜里沙…くすぐったいよ///」フルフル
ことり「雪穂ちゃんは、これ何だかわかる?」
雪穂「寒さから身を守る物でしょ。私の毛皮みたいに」
希「じゃあ、やっぱり何かの巣?」
雪穂「んー。巣にしては小さすぎるんじゃないかなぁ…」
亜里沙「でも私たちは入れるよ」
雪穂「そうだけど、奥の四つの小さい部屋までは行けないでしょ」
ことり「横にもあるから五つだよ」
希「じゃあ、ウチらよりもっと小さい生き物の巣?」
穂乃果「くまくま!」
雪穂「お姉ちゃんは何言ってるかわかんないよ。はい、チョコ」
穂乃果「もぐもぐ…これ、あんこ入ってるじゃん!」
ことり「穂乃果ちゃんは何か知ってる?」
穂乃果「何て言ったか忘れたけど、毛玉みたいなのを作る虫がいるんだ。人間が飼ってるの」
ことのぞ「へー」
5:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:17:15.98ID:+rGo6lOV
雪穂「虫でも毛皮みたいな物を作れるってこと?」
穂乃果「たぶんね。ことりちゃんが巣を作るのに使う糸も蜘蛛の物でしょ?」
ことり「そっか。虫なら五つの小さな部屋にも入れそうだね…」
雪穂「でもさ…これって何かの形に似てない?」
ことのぞほの「えっ」
雪穂「お姉ちゃん。お手」
穂乃果「くまっ♪」
ことり「あ…くまさんの手?」
希「確かに…この小さい穴の部分が指の形みたいに見えるね」
にこ「だったら猿の手のほうが近いんじゃない?」
ことり「こんなに大きな手のお猿さんがいるの?」
希「いるとしたら…やっぱり真姫ちゃんが言ってた大きくて危険なサルなんかな!?」
にこ「聞いたことあるわよ。大きくて強いサルの仲間…それは」
ことり「それは…?」
にこ「ゴジラ!」
希「ゴジラ!?」
クスクス
ことり「!?…だ、誰?」
「ゴジラなんて実在しないわよ」
「そうそう。そのジは誤字で、正しくはゴリラ」
希「あなたは…黒い」
ことり「ゴリラ!?」
ツバサ「違うわよ!どう見ても黒猫でしょ!?」
あんじゅ「ゴリラにしては小さすぎるし」クス
ツバサ「ちっちゃくないよ!」プンプン
希(ハリネズミのあんじゅに、黒猫のツバサ…)
あんじゅ「面白い物を持ってるのね。私にも見せてくれないかしら?」
希「うん。いいけど…」
ツバサ「いただきっ」ヒョイ
ことり「あっ…何するの!?」
6:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:20:59.83ID:+rGo6lOV
ツバサ「ふふふ…これを返してほしければ、私たちと勝負しなさい!」
希「何の勝負…?」
穂乃果「くまくま!」
雪穂「力比べだったら負ける気しないけど」
あんじゅ「うふふ…慌てないで。アイドルなら歌とダンスで勝負するべきじゃないかしら?」
にこ「A-RISEと勝負…!?」
穂乃果「歌なら、ことりちゃんがいれば負けないもんね♪」
ツバサ「ふふふ…歌が鳥だけの特技だと思ってるの?」
希「この森で、ほかに歌が得意な生き物といえば…」
あんじゅ「英玲奈!出番よ♪」
シーン…
ことのぞにこほのゆき「?」
ツバサ「あ、あれっ?英玲奈は…?」
「…」Zzz
花陽「さっきの毛皮の巣?が膨らんでるけど…」
亜里沙「あ、中にカエルさんが入ってる♪」
英玲奈「…」Zzz
あんじゅ「英玲奈…いつの間に入ったの?」
ツバサ「ちょっと英玲奈!そんなところで寝てないで歌ってよ!」
英玲奈「うーん…寒いし眠いから嫌だ。私たちカエルはもう冬眠の季節だ」ファー
あんツバ「…」
\ワンダーゾーン♪/
英玲奈「素晴らしい…子守唄だ」ムニャムニャ
亜里沙「Хорошо♪」
海未「私たちの勝ちですね」
ツバサ「くっ。覚えてなさい!春になったらリベンジよ!」
あんじゅ「うふふ。またね♪」
スタコラサッサー
7:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:22:59.58ID:+rGo6lOV
希「なんとか取り戻したね」
ことり「カエルさんの寝袋になっちゃってるけど…」
英玲奈「…」スヤスヤ
花陽「あ、思い出した。これ、ケブクロ…とかいうんじゃなかった?」
凛「毛袋?」
絵里「毛皮でできた袋だから?」
にこ「私も見覚えがあるわよ。…これ、人間が持ってたわ」
海未「そうですね。おそらくヒツジなどの毛を使って人間が作った物だと思います」
希「なるほど。毛袋かぁ…」
ことり「じゃあ、これって人間の巣なの?」
真姫「こんな狭い袋に人間が入れるわけないでしょ」
雪穂「よくわかんないけど、人間が寒さから身を守るために使う物じゃない?」
希「どうする?」
ことり「持ち主を探して返してあげたいけど…」
凛「じゃあ、みんなで行くにゃ♪」
真姫「どうやって探すのよ?…穂乃果や私なんて、人間に何されるかわからないわよ」
にこ「仕方ないわねー。ここは人間どものアイドル♪この矢澤ぬこ様に任せなさい」ドヤァ
希(にこっちと凛ちゃんに運んでもらって、この毛袋の持ち主の人間を探すことにしたよ)
凛「落っことしちゃダメだよー?」
にこ「そう思うならもっとゆっくり走ってよ」
希(カエルさんが入った毛袋はにこっち、ウチは凛ちゃんの頭の上や)
ことり(大丈夫かなぁ…)バササッ
希「どんな人間の物かわかればいいんやけど…」
にこ「人間の手は二つあるんだから、この毛袋は片方だけでしょ」
凛「同じ物がもう一つあるってことー?」
にこ「たぶんね。…で、それを片方だけ落っことしたまま忘れるなんて…賢い人間じゃないわよ」
ことり「賢くない人間?」
凛「あ、わかった!これはサルの毛袋なんだにゃ」
にこ「バカね。猿はこんな物使わないわよ。邪魔になるし…人間だって言ってるでしょ」
希「猿じゃないけど、賢くない人間…?」
8:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:25:32.52ID:+rGo6lOV
英玲奈「子供だな」
ことのぞにこりん「えっ」
にこ「…なるほど。確かに人間の物にしては小さいし…人間の子供の物かもしれないわね」
ことり「でも人間の子供が森まで来るかなぁ?自分で歩けないんじゃない?」
にこ「生まれて二、三年くらいすると人間の子供も走り回るようになるのよ」
ことのぞりん「へー」
英玲奈「…」Zzz
【矢澤家】
にこママ「あら、片方なくしちゃったの?」
ここあ「ごめんなさい…」シュン
こころ「外して遊んでいるときポケットに入れていたのが落ちたみたいですわ」
にこママ「しょうがないわね…また作ってあげる」ナデナデ
ここあ「おかあさん…でも」
凛「にゃーん♪」タタッ
ここあ「あっ、ねこー!」キャッキャ
にこ「フン…私は、ただの猫じゃないわよ」ドヤァ
こころ「二匹いますわね」
にこママ「本当ね。ふふふ…こころとここあみたいに可愛い♪」ナデナデ
凛「照れるにゃ///」
希「カエルさん、ちょっと出てや…」グイ
英玲奈「うーん…まだ眠い…」ゴロン
ことり「この毛袋、知りませんかー?」パタパタ
ここあ「あっ…これ、ここあの!」
こころ「確かに、ここあの手袋に似てますわね…」
にこママ「片方だけ…ってことは、ひょっとして…?」
にこ「どうやらここみたいね。25軒くらい巡ってやっと見つかった…」
希「それでも充分、運が良かったと思うよ」
ここあ「ありがとー!ねこさん♪」ギュー
にこ「こ、こらっ。離れなさいよ///」
9:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:27:38.59ID:+rGo6lOV
こころ「お礼に煮干しを差し上げますわ♪」
凛「お魚キライ…」シクシク
にこママ「なんだか猫以外にもいろいろいるわね…」
希(…逃げたほうがいいかも)ヒヤアセ
こころ「皆さん協力して届けに来てくれたのかもしれませんわね♪」
ここあ「みんなありがとー♪」
希(…大丈夫みたいや)ホッ
ことり「優しそうな人たちでよかったね♪」
英玲奈「だが人里に長居は危険だぞ。森へ帰ろう」
にこ「そーね…」
凛「バイバイにゃ」
ここあ「ねこさん、かえっちゃうのー?」
こころ「皆さん、ありがとうございました♪」
にこママ「車に気をつけてね」
ここあ「ばいばーい♪」フリフリ
英玲奈「暖かくて良い巣だったんだが…惜しい事をしたな」
希「ことりちゃんの前の巣はどうしたん?」
ことり「新しい巣の材料に半分くらい使っちゃった♪」
英玲奈「うむ。だいぶ剥がされてしまったぞ」
希「アハハ…やっぱりリサイクルしたんやね」
凛「ちょっと寒くないかにゃー?」
英玲奈「あの毛袋の暖かさが恋しい…」
にこ「いや、カエルらしく土にでも潜って冬眠しなさいよ」
ことり「ふふっ」
凛「あははっ」
ザァァァ…
希(ウチらの森に冷たい雨が降る…寒さは日増しに厳しくなるけど)
ことり(希ちゃんがいるから、心も体もあったかいよ♪)ギュー
おわり
10:名無しで叶える物語 2016/11/23(水) 00:50:29.82 ID:CAJlgorN
機械みたいな生活してそうだね
掲載元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1479826975/
- 関連記事
Entry ⇒ 2019.08.01 | Category ⇒ラブライブ |Comments (0)